自律神経とアロマセラピー
顧問医師 大多和 聡
医学博士/整形外科専門医/スポーツドクター
東京オリンピックではメディカルスタッフとして
オリンピック、パラリンピックに参加しました。
様々なストレスが続くと、自律神経が乱れて不調になります。
西洋医学ではなかなかケアできない苦しい症状に悩まされることがあります。
アロマセラピーで使用する精油はそんなつらい症状を和らげることが科学的に証明されています。
辛い症状にお困りの方は、ストレスケアの一つとしてアロマセラピーをおすすめします。
自律神経とアロマセラピーは切り離せない関係です。
自律神経とは、意識することなく自分の生命を維持するための役割を果たしています。
危険な状況で、緊張をさせて逃げたり戦ったりするために必要な体の状態に変化させます。
気温の変化、音、臭いなど様々な変化に即座に対応するために自律神経活動が変化します。
この活動が、過度のストレスによって強く起こったり、頻繁に起こることは
体に負担になります。この状態が続くと様々な不調、不快な症状が現れます。
この症状は、西洋医学で治療するには対症療法であり、根本的な治療は難しいのです。
ストレスをためない、発散する、疲れや、不調のあるとき様々な方法でストレスをケアする
自分で自分を理解し調整を試みましょう。
以下 「医者がすすめる科学的アロマセラピー」
永井克也・富 研一・ベンゼル智子 著 より
ラットの実験によって、精油の香りの刺激によって臓器、組織を支配する
自律神経活動が変化し、さらに自律神経活動の変化によって生理機能が変化することを
確認したのです。
このように、香りは自律神経活動に作用することがわかっています。
何が、どんな症状に、どのように作用するのかは研究の途中ではありますが
アロマセラピーは伝統療法として漢方や鍼灸と同様に期待できるケアの一つです。
プロのセラピストにケアをしてもらうのはもちろん、自分でも精油を使って
日々のストレスケアを試みるとよいでしょう。
≪医師として私が考えるアロマセラピー≫
身近にあって気軽に手当て(セルフケア)できるもの
このようなケアの手段を何も持たないよりは、いくらか心身の健やかな状態を保ちやすくなるということです。医薬品も注意事項があるようにエッセンシャルオイルにも注意事項がありますので、それをきちんと守って正しく使えば、心身の不調が多少緩和されることもあると考えます。
体の状態、状況によっては病院では、どこも悪くないことがあります。このようなときは、漢方、鍼灸、アロマセラピー、整体、などの補完医療を選択するか、もしくは組み合わせるのか。体の状態で選択するという自分の体への意識を持っていると健康を維持する心がけにつながるかもしれません。
正しいセルフケアを学ぶことができるアロマライフレッスンは手頃な価格でよい内容だと思います。
嗅覚とアロマ
人間の嗅覚受容体は350種類あり、全遺伝子の1%を占めるのだそうです。
この受容体の様々な組み合わせにより1万種類ともいわれる香りを嗅ぎ分けるわけです。
人間の感覚の中でも極めて繊細な嗅覚は、"生命を守る”という非情に重要な役割を担っています。
例えば、娘は父親の体臭、汗などを非情にも”臭い‼!”と言って嫌います。
父としては、悲しいのですが、これは正しい反応です。父と娘は白血球の型が非常に近いことが
多いのですが、娘が父と同様の白血球の型(つまり娘の白血球の型と近い)男性と婚姻し、子どもが生まれると、その子は、白血球の型が単純になりがちで、簡単に言うと体の弱い子が生まれることになる。このことは、種の絶滅につながっていくことになります。
したがって、自分に似た白血球の人を、”臭い””嫌い”と判断し遠ざけるよう、嗅覚が働きます。
また、食べ物が賞味期限ギリギリだったりすると、食べる前に、臭いを嗅いで、腐っていないか
確かめることは、よくありますね。
このように、嗅覚は、無意識に状態を確認する手段になっています。
そう考えると、嗅覚反応分析は、面白い講座かもしれません。
8種類の香りを嗅ぎ分けて自分の心身の状態を読み解くというのは、興味深いですね。